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statement
exhibition
Something of someone and something
Misty
The will in the distance
light
silence
projects
A house in a town as sculpture
Me and garden,home and town, you and somthing
piece of air - yugawarasouyu
light-onto
works
Next
A of Misty
sign
piece of air distant sound
building blocks of lighit
sign drawing
piece of air 2020
sign-aki
Recalling spring
unusable
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text
publication
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2019.12,6 - 2020.1.25
void+
Tokyo
Misty -意識の境界-
ある人がある空間に立っていた。ある人が纏っている空気。その空気はどこから来ているのだろう。私が感じた空気はその人自身からなのか、それともその人が立っていた場からだったのか。場だとすると、その背景にあるモノたちや建物の中の空気だったのかもしれないし、モノたちも含め建物が建つ街や都市、その土地の風土以上の何かだったのかもしれない。仮にある人自身からのものだったとしても、それもまた、その人が過去に触れてきた空間やモノたちを感じているのかもしれない。そんなふうに空気を追っていると、人と空間の境界がどんどん薄れ、気づけば霧が立ち込める茫洋とした世界にいた。
ある人と空間の境界をスキャニングする。彼女が纏っている服は、人と空間を繋ぐモノであり、その姿から微かに残る重力と地平線の痕跡を手掛かりに、仮想空間の中で空気を探す。モニターから見える人の形は、重さも厚みもゼロであり、物質的な塊やマッスもなければ、重力も空間も感じない。感触がない私が見ている世界はただの光なのだ。でも私は「ない」感覚に近づいた。
凡ゆる人やモノは様々なモノとコトを受け入れ築かれているかのように、檜の正六面体を格子状に組んだ塊を、xyzの方向からプロッタで切削し、消えてしまった人の形を表出させる。そして離散的な塊と表面を再構築し、ある人が纏っていた空気の記憶を辿りながら彫刻する。
ある人の「ない」彫刻を、無機質な小さな空間に置く。蛍光灯の白い光に包まれ場の空気と交わる。そして空気を掴もうとしても掴めない感覚が白い壁の向こうまで広がっていく。
保井智貴
2019
152x42x25cm
japanese cypress, oil stain
Photo:Kohei Yamamoto
Pillar of light
236x4x4cm
mother of pearl, acrylic resin
Left
15x27x16cm
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